アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール を読んだ
最近就活と研究の板挟みになってしんどいので,現実逃避も兼ねて「アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール」という本を読んだ.
その感想を 雑 簡単にまとめた.
大体の内容
いいところ
- ややこしい計算とかがないので,数学できなくても読める
- 各トピックについて「何がしたいか」を頭に記述しているので,目的意識を見失わずに読める
- ストーリー仕立てで,アルゴリズムが設計された過程などを納得しながら読める
- 前半は「アルゴリズムと身の回り」,後半は「アルゴリズムの成り立ち」 という感じ,どちらもそこそこ軽くて面白い
いまいちなところ
- 各章のつなぎがいまいちで,頭の切替がしんどい
- 図や数式がほぼ出ないので,アルゴリズムの説明がややこしい
- 紹介するアルゴリズムが「何をするのか」「どんな感じに役立つか」が主な話題なので,トピック毎に興味の落差が激しくなる
- 別に「思考術」って感じの内容でもないので,タイトルに惹かれて買うのはオススメしない
個人的に好きだったトピック
探索と活用
全体像がはっきりとしない空間上での探索についてのトピック.
人間が感じる期待や後悔,残り時間などを指標として「どのスロットマシンで挑戦すべきか」「行きつけの店か新しい店か」を選ぶべきかを解説している.
あと人間が無意識に行ってるんやでっていうのもあって,面白かった.
ソート
スポーツ大会とソートアルゴリズムの組み合わせが初耳で興味深かった.
大会運営の都合や観客の期待,ソートの仕方の欠点におけるジレンマの話はなかなか熱が入って読んでいた.
キャッシュ
キャッシュの視点から考えると,一番効率がいい資料の整理方法は机の上に山積みというのが,思考停止している自分の虚をつかれた感じがした.
あと高齢に伴う記憶・想起力の低下やコミュニティの縮小化に関する考察は非常に興味深かった.
ランダム性
アルゴリズムにランダム性が「あるときー」「ないときー」の話をしていた.
「ランダムの力ってすげー」
ランダムなしにもう生きていかれない...
ネットワーキング
特に「これだ!」という話はなかったけど,所属研究室的に気になるトピックだよね...
純粋に昔話を楽しんでた感じ.
全体
歴史の中で改良されてきたアルゴリズムは「人間は割と経験則的に使っているで」という話があって面白かった.
実験の条件や過程を変えて被験者のアルゴリズムを崩していく過程もなかなかの見ものだったりする.
あと後半はアルゴリズムやコンピュータ中心になりがちなイメージだけど,小咄が結構面白い.
ref
アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール
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